「日本を識る百編」計画のご案内

 

2021年1月20日、第46代米国大統領の就任式が行われました。J.バイデンとD.トランプの一騎打ちだったこの選挙戦の推移を世界は固唾を呑んで見守りました。どちらが勝利するにしても自国や自社の運命が大きな影響を受けることを世界中の誰もが知っていたからです。日本も例外ではありません。日本は米国の世界戦略に同調しつつそれに流されないで自国の利益を守らなければなりません。日本企業に勤める経営者や管理職も同様です。日本にはこれを実現できる国際的人材が必要です。

 

日本企業や政府は既に分かっています。多くの団体が英語能力を昇進や入社の条件にし、数社が英語を公用語にしました。「英語ができなければ国際的人材ではない」とは言われますが、では「英語ができれば国際的人材」になれるのでしょうか?そうではない、と答える人は多いでしょう。外人との交渉には英語能力以上に商品や話題に関する深い知識や経験が必須だと良く言われます。これらを駆使して交渉する訳ですが、経験の或る方ならそれだけでは足りないことにお気づきでしょう。相手は正直に誠実に交渉してくれる訳ではありません。こちらの裏を掻いたり、嘘を付いたり、脅したり、その場しのぎを言ったりします。これには国民性が大きく関係して来ます。

 

戦争では敵をどの様に騙して勝つかが正義なように、ビジネスではどの様に利己的に振舞って自分の側に利益をもたらすかが正義です。契約書は一言一句正確に表現し、それを守ることに命を懸けるのが正義な国もありますが、契約書の文言などその場をしのぐ為のもので、後でどんな風にも交渉して書き変えられるものだと考える国民もあります。または契約書の文言はどうでも良くて、権力者である自分がどう考えるかが正義だという国民もあります。あるいは、自分がどう感じるかが全てであって過去の事実なぞどうでも良いという正義もあります。だからと言って他国の者を非難しても始まりません。そもそも正義の基準が違うのですから。相手の文化即ち思考の構造を理解しておかなければなりません。ですがそれ以上に重要なのは私たち日本人がどの様な思考構造になっているかを知ることです。

 

私たち日本人は、自分が相手を信頼すれば相手も信頼で応えてくれるに違いないと思い、自分は嘘を言わないで相手の立場を尊重し、相手がハッピーになる提案をしようとし、酒を酌み交わして信頼関係を築けばこころが通じ合うと思います。同じ人間なのだから誠意は伝わると思ったのではないでしょうか?でもその為に私たち日本人がどんなに騙され損をして来たか、皆知っています。某国に事業進出したら話しが違って結局身ぐるみ剥されて帰って来たという話しを聞きます。

 

どうしてそんな事が起こるのでしょうか?最大の理由は日本人が自分と外人の思考構造の違いをハッキリ自覚していなかったからではないでしょうか?私たちの無意識の判断や当然と思って下した結論に対して、どうしてそうしたのかという質問に答えられなければ「自分の思考構造をハッキリ自覚」できたことにはなりません。わたくしたちはそれが出来ているでしょうか?

 

この様な日本人の思考構造は二千以上前から日本人が神道、仏教、儒教などについて思索を積み重ねた末に出来上がったものと言えます。縄文時代を入れると1万数千年になります。こうして成立した思考構造は今私たちが日常使っている日本語に溶け込み私たちの“常識”を形成しています。当たり前だと思っている事は自分の思考構造としてハッキリ自覚することは難しいです。

 

ではどうしたら良いのでしょうか?日本の過去の思想書、文学書を一篇でも多く読んで理解すべきでしょう。でもそれには問題がいくつかあります。それは

1.   日本には膨大な文献があるのでどれを優先して読めばよいか分からない。

2.   古文は読み難いし解説書片手に読むのは手間がかかる。

です。そこで、日本の思想書、文学書から100篇を選び、それを現代語に訳して一冊の本に纏めることを考えました。この一冊には読んでおくべき作品百篇を収録してあり、全てが現代語訳してあります。どの作品も、現代の日本語で書いてあるので気軽に読め、読めば自分の日本人としてのこころの構造、美しい日本語の言葉遣いの基礎が身に付くというものです。

 

その本はこんな感じです。

 

この様に1冊の本にする利点はどこにあるのでしょうか?それは手軽さです。この本を手元に置いて気が向いた時に読めると想像してみてください。日本の代表的な古典が一冊の中に入っているので、その中から気が向いた作品を読めば間違いありません。それに枕草子や今昔物語や歎異抄など古典の名作を読んでみようとしても作品を個別に買わなくても済みます。読むのは古語の原文ではなく現代語なので楽に読めます。本格的に古典を読みたくなったら専門書をお買いになれば良いでしょう。

 

この様な日本人としての素養は子供たちに若い内から養ってほしいものです。ですからこの本は大人用、中高校生用、小学生用の三つの版を作り、全国の小学校、中学校、高校の図書館に何冊も備えるようにしたいものです。また、この本の内容を英語などの主要外国語に翻訳して海外の日本語学校、政府機関、学術研究機関に提供すれば世界でも最も古くからある日本の精神文化を世界に広めることにもなります。

 

これらを実現するには時間とお金と多くの人の協力が必要です。それは以下の段階を踏んで行かねばならないでしょう。

1.         多くの人にこの企画を知ってもらう

2.         プロジェクトの実行委員を組織する。委員は編集委員、執筆委員で構成する

3.         どんな作品を収録するか、多くの人が提案し、議論し、選択する

4.         書籍の企画を出版社に提案し、支援を受ける

5.         プロジェクト資金をクラウドファンディングで募集する

6.         収録作品の現代語訳を選ぶ。無ければ誰かに翻訳を依頼する

7.         日本語版の大人向け書籍を発行する。書籍は全国の教育機関に販売すると共に電子書籍形式でネット販売する

8.         中高生、小学生向けの日本語版書籍の構成を実行委員会が纏め、必要なら執筆者に執筆してもらう

9.         中高生、小学生向けの日本語版書籍を発行し、全国の書店、ネット、教育機関を通して販売する

10.      日本語版の外国語版の書籍を作成し海外の日本語学校、政府機関などに販売する

 

では、どういう作品をこの本に収録すれば良いのでしょうか?それを皆さまと、先ずはご一緒に考えてゆきたいと思います。収録すべき作品を提案して頂きたく存じます。便利のために収録候補作品の一覧を作りました。江戸期までの代表的な古典文学を216篇、思想家を182人選んであります。この中から選んで頂いても結構ですし、別途推薦して戴いても結構です。また、古典には万葉集や源氏物語の様に膨大なものがありますから、その内どの部分を収録するべきか、ご意見をお寄せ頂ければと存じます。

 

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